【比較表あり】納経帳と御朱印帳の違いとは?重ね印・日付・お遍路での使い分け
手持ちの御朱印帳じゃダメなの?神社とお寺を1冊にまとめても大丈夫?
似た帳面が2つあると、迷いますよね。
四国八十八ヶ所をすべて巡拝し、納経帳を完成させた僕が、実物の納経帳を見せながら解説しますね。
納経帳と御朱印帳は、どちらも「墨書と朱印をいただく帳面」です。
ただし、書かれる内容や使う場面、日付の有無などに違いがあります。
この記事では、
- 納経帳と御朱印帳の違いを比較表で整理
- 日付が入らない理由と「重ね印」
- お遍路で御朱印帳は使えるか、神社とお寺を1冊にまとめていいか
- 納経帳の選び方と、巡り終えたあとの保管
- 御影・掛け軸・白衣など、納経をいただけるもの同士の違い
- 納経帳を贈り物にする場面と、印刷の納経帳との違い
を、順番にお話しします。
納経帳と御朱印帳の違いは書かれる内容と使い方!比較表でひと目でわかる

まずは、違いの全体像をつかんでおきましょう。
違いを決める3つのポイント
- 成り立ち:
納経帳は、写経を納めた証をいただく帳面。御朱印帳は、参拝の証として御朱印をいただく帳面 - 書かれる内容:
納経帳は「奉納」の墨書が中心で、日付は入らないのが一般的。御朱印帳は「奉拝」と参拝した日付が入ることが多い - 使う場面:
納経帳は四国八十八ヶ所などの霊場巡り用。御朱印帳は全国の神社やお寺めぐり用
ひと言でいえば、納経帳は「巡礼の記録」、御朱印帳は「参拝の記録」と考えるとわかりやすいですね。
中身・日付・重ね印まで比べた一覧表
細かな違いを表にまとめました。
| 視点 | 納経帳 | 御朱印帳 |
|---|---|---|
| 成り立ち | 写経を納めた証 | 参拝の証 |
| 主な使い道 | 四国八十八ヶ所・西国三十三所などの霊場巡り | 全国の神社・お寺めぐり |
| 中の紙 | 札所名や御詠歌が印刷されているものが多い | 無地のものが多い |
| 墨書 | 「奉納」・ご本尊名・寺名 | 「奉拝」・社寺名 |
| 日付 | 入らないのが一般的 | 入ることが多い |
| 2回目以降 | 同じページに朱印を重ねる(重ね印) | 新しいページにいただく |
| いただく料金 | 四国は1ヶ所500円(納経帳) | 300〜500円ほど |
いちばんわかりやすい違いは、日付と重ね印です。詳しくは次の章でお話しします。
納経帳・御影帳・掛け軸・白衣の違い
お遍路で墨書や御朱印をいただけるのは、納経帳だけではありません。掛け軸や白衣にいただく方もいます。それぞれの違いを表にまとめました。
| いただくもの | 特徴 | 四国の納経料(1ヶ所) |
|---|---|---|
| 納経帳 | いちばん一般的。札所ごとのページに墨書と御朱印が並ぶ | 500円 |
| 掛け軸 | 1枚の軸に88ヶ所の御朱印を集め、表装して飾る | 700円 |
| 白衣 | 着ている白衣に御朱印をいただく | 300円 |
| 御影(おみえ) | 納経のときにいただける、ご本尊が描かれたお札。御影帳にまとめる | 納経に合わせていただける |
途中から掛け軸にもいただきたいと思っても、それまでの札所はもう一度お参りしないと集め直せません。何にいただくかは、巡り始める前に決めておくのが安心です。
納経帳とは?御朱印帳との違いは写経を納めた証という成り立ち!
納経帳(のうきょうちょう)は、お寺に写経を納めた証としていただく帳面が始まりです。
「納経」とは、文字通り「経を納める」こと。
もともとは自分で書き写したお経をお寺に納め、その受け取りの証として墨書と朱印をいただいていました。
今では、写経の代わりに本堂と大師堂でお経を唱えてお参りし、その証として納経をいただくのが一般的になりました。
四国八十八ヶ所では、弘法大師ゆかりの88ヶ寺を巡った証が一冊に揃い、88ヶ所すべての納経がそろうと結願(けちがん)となります。
なお、納経帳は四国だけのものではなく、西国三十三所など、ほかの霊場巡りでも使われています。
1ページに書かれるもの(実物の納経帳で解説)
こちらは、僕が巡拝したときの納経帳の1番札所・霊山寺のページです。

1ページには、主に次のものが書かれます。
- 墨書:「奉納」の文字、ご本尊の名前、寺名
- 札所印:右上の「四国第〇番」の朱印
- 宝印:中央に押される大きな朱印(三宝印や、ご本尊を表す梵字の印など)
- 寺印:左下に押される、お寺の朱印
納経帳には、左上に札所名が、隣のページに札所の挿絵と御詠歌(ごえいか)が印刷されているタイプもあります。
全88ヶ寺の納経の様子は、四国八十八ヶ所 巡拝の記録で見ることができます。
納経帳の墨書は誰が書いている?
納経帳の墨書は、各札所の納経所にいるお寺の方が、その場で筆で書いてくださいます。
同じ札所でも、書く方によって字の雰囲気が少しずつ違います。88ヶ所を巡り終えて納経帳を見返すと、ページごとに筆の運びが違っていて、一冊の中にたくさんの人の手が入っていることがわかるんです。その一つひとつの違いをゆっくり眺めるのも、納経帳ならではの味わいです。
納経所では、書いていただいている間は静かに待ち、受け取ったら「ありがとうございます」とお礼を伝えましょう。
日付が入らない理由と重ね印
御朱印帳との大きな違いは、納経帳には参拝した日付が入らないこと。
日付が入らないのは、同じ納経帳で何度も巡ることを前提にしているからだと言われています。
2巡目以降は、墨書は書かずに、同じページに朱印だけを重ねて押してもらいます。これを「重ね印(かさねいん)」と呼びます。
巡るたびに朱印が重なって、ページが赤く染まっていく。これが納経帳ならではの魅力ですね。
四国八十八ヶ所霊場会の定めでは、重ね印は1ヶ所300円です。
御影(おみえ)とは
御影は、納経のときにいただける、札所のご本尊が描かれたお札です。納経帳に挟んで持ち帰り、御影帳(専用のアルバム)にまとめて保管する方が多いです。
88ヶ所分の御影がそろうと、八十八の仏さまが一冊に並びます。納経帳とあわせて、巡礼の大切な記録になりますね。
御朱印帳とは?納経帳と違って神社でもお寺でもいただける記録帳

御朱印帳(ごしゅいんちょう)は、神社やお寺を参拝したときにいただく御朱印をまとめる帳面です。
もともとは納経の証が由来とされていますが、今では写経を納めなくても、参拝の証としていただけるものになりました。
御朱印帳の特徴と相場
- 神社でもお寺でもいただける
- 「奉拝」の文字と社寺名、参拝した日付が書かれることが多い
- 帳面は1,500〜3,000円ほど、御朱印は1回300〜500円ほどが目安
- 蛇腹(じゃばら)折りで、無地のページが多い
旅行やお参りの思い出を残せるので、御朱印めぐりを楽しんでいる方も多いですね。
御朱印帳の始め方
御朱印帳を始めるなら、よくお参りする神社やお寺で一冊授かるのがおすすめです。多くの社寺で、オリジナルの御朱印帳が用意されています。
最初の1ページは、その御朱印帳を授かった社寺でいただくのが一般的とされています。表紙のデザインや大きさで選んでもかまいません。お参りのたびに少しずつページが埋まっていくのも、御朱印帳の楽しみです。
御朱印をいただくときのマナー
神社でもお寺でも、御朱印はお参りを済ませてからいただくのが基本です。御朱印はお参りの証なので、先に御朱印だけをもらうのは避けましょう。
- 本殿や本堂でお参りしてから、授与所や納経所へ向かう
- 御朱印帳は、書いていただくページを開いて渡す
- お金は小銭を用意し、おつりのいらないように
- 混雑時は、紙に書かれた「書き置き」の御朱印になることもある
書き置きの御朱印をいただいたら、のりなどで御朱印帳に貼っておくとよいでしょう。どうしても書いていただきたいときは、混雑の少ない平日の午前中に訪れると、直接書いていただけることが多いようですよ。
神社とお寺を1冊にまとめていい?
神社とお寺の御朱印を1冊にまとめても構わない、とする社寺が多いようです。決まりがあるわけではなく、それぞれの社寺の考え方によるもの。
基本は「どちらも参拝の証」なので、1冊にまとめて巡る方もいます。
ただし、まれに、ほかの社寺の御朱印がある帳面には書いていただけないこともあります。
気になる方は、神社用とお寺用で帳面を分けておくと、どちらでも安心してお願いできますね。
納経帳と御朱印帳は混ぜてもいい?迷いやすい使い分けと納経所のマナー
ここからは、実際に巡るときに迷いやすいポイントを見ていきます。
お遍路で御朱印帳は使える?
四国の札所でも、御朱印帳に納経をいただくことはできますよ。
ただし、一般的な御朱印帳はページ数が限られているので、88ヶ所すべてを1冊に収めるには足りないことがあります。
また、納経帳のように札所ごとのページが決まっていないため、あとから見返すときに順番がわかりにくくなりがちです。
88ヶ所を巡るなら、最初から専用の納経帳を用意しておくのがおすすめですね。
納経料は2024年から1ヶ所500円に
納経料は、四国八十八ヶ所霊場会の改定で、2024年4月1日から次の金額になりました。
- 納経帳:500円(改定前300円)
- 掛け軸:700円(改定前500円)
- 白衣:300円(改定前200円)
- 重ね印:300円(据え置き)
出典:四国八十八ヶ所霊場会
納経帳で88ヶ所を巡ると、納経料だけで44,000円になります。
ネットの記事には改定前の300円のまま書かれているものもあるので、準備の際は最新の金額で計算しておきましょう。
納経所が混むときの待ち方と受付時間
納経所は、団体のバスが着いた直後や、受付が終わる夕方の少し前に混みやすくなります。渡し方の手順はこのあとまとめるので、ここでは混んでいるときの過ごし方を見ておきましょう。
- 受付は原則8時〜17時。夕方に着く日は、時間に余裕をもって向かう
- 団体と重なったら、先に本堂と大師堂のお参りを済ませてから並ぶ
- 並んでいる間は、次に開くページと小銭を用意しておく
- 前の人が何冊も出していても、静かに順番を待つ
納経所で納経帳を渡すときの手順
納経所では、書いていただくページを開いてから、納経料と一緒に差し出すのが基本の流れです。
- 本堂と大師堂でのお参りを済ませる
- 納経所に着いたら、その札所のページを開いておく
- 納経帳と納経料(500円)を差し出す
- 墨書と御朱印をいただき、御影を受け取る
- お礼を言って、墨が乾くよう少し開いたまま持ち運ぶ
墨は乾くまでに少し時間がかかります。すぐに閉じると反対側のページに写ってしまうので、半紙などを挟んでおくと安心ですよ。
初めて納経帳を手にした人が迷いやすいこと(よくある例)
初めて納経帳を手にした方は、「順番どおりに巡らないとダメ?」「墨が乾く前に閉じていい?」といったところで迷いやすいようです。よくある迷いと、その答えをまとめました。
- 番号を飛ばして巡ったら?:その札所のページに書いていただくので、順番どおりでなくても大丈夫
- 墨が乾くまでどうする?:半紙を挟むか、少し開いたまま持ち運ぶ
- 雨の日はどうする?:ビニールの袋やカバーに入れて、濡れないようにする
- 御影はどこにしまう?:納経帳のそのページに挟むか、御影帳や御影入れにまとめておく
納経帳の選び方と保管方法!一生残る一冊だからこそ大切にしよう

納経帳は、巡り終えたあとも長く手元に残るもの。選ぶときのポイントをまとめます。
大きさは持ち歩き方で選ぶ
納経帳には、大きめのサイズと小さめのサイズがあります。
- 大きめ:墨書や朱印が映え、見返したときの迫力がある
- 小さめ:軽くてかさばらず、持ち歩きやすい
歩き遍路では荷物を少しでも軽くしたいので、重さも気にしておきたいところです。車で巡るなら、大きめのものでも負担にはなりにくいですね。
雨の日も歩くことを考えると、透明のビニールカバーをつけておくと安心です。僕の納経帳にも、透明のカバーをつけています。
和綴じと蛇腹の違い
- 和綴じ(わとじ):本のようにめくるタイプ。ページがばらけにくい
- 蛇腹(じゃばら):屏風のように広げられるタイプ。並べて眺めやすい
四国の納経帳は、札所名などが印刷された和綴じのものがよく使われています。
買える場所
納経帳は、1番札所の霊山寺をはじめとする札所の売店、お遍路用品店、ネット通販などで買えます。
最初の札所で、白衣や納め札などのお遍路の持ち物と一緒にそろえる方も多いですね。
納経帳のカバーと名前の書き方
納経帳には、表紙裏などに自分の名前を書いておくと、置き忘れたときにも見つけてもらいやすくなります。住所まで書くかは、気になる場合は名前だけでもかまいません。
持ち歩くときは、透明のビニールカバーや布の納経帳袋に入れておくと、雨や汗、汚れから守れます。何年も大切に使う一冊なので、最初にカバーをつけておくと安心ですよ。
掛け軸に御朱印をいただく場合の注意
掛け軸に御朱印をいただく場合は、持ち歩き方と、巡り終えたあとの表装を考えておきましょう。
掛け軸用の白い軸は、折り目や汚れがつかないよう、専用の箱や筒に入れて持ち歩きます。雨の日は、とくに濡らさないように気をつけてください。
88ヶ所の御朱印がそろったら、仏具店や表具店で表装(掛け軸に仕立てること)を頼むと、床の間に飾れる形になります。納経料は1ヶ所700円で、納経帳より少し高くなります。
巡り終えたあとの保管とお棺に納める風習
巡り終えた納経帳は、湿気と直射日光を避けて保管しましょう。仏壇の近くや、桐の箱などに納めておく方もいます。
また、納経帳を亡くなったときにお棺に納めるという風習も伝わっています。
途中で新しい納経帳に替えるとき
納経帳は途中で新しいものに替えてもかまいませんが、それまでにいただいた御朱印は前の納経帳に残ります。88ヶ所を一冊にそろえたいなら、最初の一冊を大切に使い続けるのがいちばんです。
よくある例:雨で表紙を濡らしてしまい、替えたくなった場合
- 中のページが無事なら、よく乾かしてカバーをつけ、そのまま使い続ける
- 替えるなら、新しい納経帳はまだいただいていない札所のページから使う
- 巡り終えたら、前の一冊と新しい一冊を一緒に保管し、巡礼の記録としてそろえておく
2冊に分かれても、巡った記録であることに変わりはありません。ただ、新しい納経帳は前半のページが空いたままになるので、見返したときに少しさみしく感じることも。替える前に、乾かして使い続けられないかを一度考えてみてくださいね。
家から古い納経帳が出てきたとき
古い納経帳が見つかったら、まずは大切に保管して、どこまで巡ったものかを確かめてみましょう。家族が以前お遍路をしたときの一冊かもしれません。
- 表紙裏などに、名前が書かれているか
- どの札所のページに墨書と御朱印があり、どこが空いているか
- 朱印が重なっているページがあるか(何度か巡った跡)
よくある例:亡くなった父の納経帳が、押し入れの奥から出てきた場合
開いてみると、前半の札所までは御朱印がそろい、後半のページは空いたままだった。家族で話すうちに、「続きを巡って、父の納経帳を完成させたい」という気持ちになった、という例です。
続きを巡りたいときは、残りの札所で同じ納経帳に御朱印をいただくこともできます。すぐに巡れなくても、ページをめくりながら家族がどんな想いで巡ったのかを想像してみる時間は、それだけで大切なものになりますね。
印刷の納経帳と、札所でいただいた納経帳の違い
納経帳の中には、墨書や御朱印があらかじめ印刷された記念品のようなものもあります。見た目は似ていても、札所で実際にいただいた納経帳とは意味が違います。
札所でいただいた納経帳は、一ページずつ、その札所の方が筆で書き、朱印を押してくださったもの。同じものは二つとありません。贈り物として届けるなら、実際に88ヶ所を巡って、各札所でいただいた納経帳かどうかを確かめておきたいところですね。
納経帳と御朱印帳の違いに関するよくある質問!迷ったときの答え
- 納経帳と御朱印帳、初心者はどちらを選ぶべきですか?
- お遍路で御朱印帳を使ってもいいですか?
- 納経帳に日付が入らないのはなぜですか?
- 四国八十八ヶ所の納経料はいくらですか?
- 納経帳は四国以外の霊場でも使えますか?
- 墨書を書いてもらえない時間はありますか?
- 納経帳と御朱印帳は、両方持っていたほうがいいですか?
行けない大切な人にも納経帳は届けられる!代参で願いを形にする方法

ここまで、納経帳と御朱印帳の違いをお話ししてきました。
- 納経帳は霊場を巡った記録、御朱印帳は社寺を参拝した記録
- 納経帳には日付が入らず、2巡目以降は重ね印をいただく
- お遍路で通して巡るなら、専用の納経帳がおすすめ
- 四国の納経料は2024年4月から1ヶ所500円
納経帳は、自分の足で巡っていただくことで、ほかにはない一冊になっていきます。
とはいえ、体力や仕事の事情で、四国まで巡りに行けない方も多いですよね。
そんなときは、自分の代わりにお参りしてもらう代参(だいさん)という方法があります。納経帳を贈る意味や選ばれる場面は、本物の納経帳を贈るという親孝行で詳しくお話ししています。
納経帳を贈り物にする場面
88ヶ所の納経がそろった納経帳は、大切な人への贈り物として選ばれることもあります。よくある場面を挙げてみますね。
- 還暦や古希などの長寿のお祝いに、親へ巡礼の記録を贈る
- 一周忌などの節目に、故人の供養として仏壇に供える
- 闘病中の家族に、回復を願った巡礼の記録を届ける
どの場面でも、「あなたのために巡ってきた」という想いが、納経帳の一ページずつに込められています。
ご本人やご家族が前半の札所を巡り、残りの44ヶ所を代わりに巡る、という組み合わせもご相談いただけます(ライトプランは2名様以上のお申し込みで催行します)。88ヶ所の御朱印がそろうまでの形を、一緒に考えさせてください。
まだ決めていなくても大丈夫です。相談だけでも構いません。
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