お遍路とは?意味・目的と宗派をやさしく解説!真言宗以外の8ヶ寺も紹介
そもそも何のためにするの?目的は?
お遍路をするのに宗教とか宗派とか関係ある?
わかりやすく教えてほしいなぁ
この記事では、そんな悩みに答え、お遍路(おへんろ)とは何か?を、できるだけわかりやすく説明します。
この記事でわかること
- お遍路とは何のこと?意味や目的、何のためにするのか
- お遍路は宗派が関係している?真言宗以外の札所は?
- お遍路の起源・由来・歴史について
- お遍路でよく聞くお接待とは何か?
- 八十八ヶ所巡りの回り方と、同行二人の意味
歴史や背景を大切にしつつ、『お遍路とは?』という疑問にひとつずつ答えていきます。
お遍路(おへんろ)とは?四国八十八ヶ所を巡る旅!読み方と呼び名の違い

お遍路(おへんろ)とは、四国にある「弘法大師(空海)ゆかりの八十八ヶ所のお寺」を順番にお参りして回る旅(巡礼とも言う)のことです。
お遍路は、昔から長い間続いていて、四国では「暮らしの中の大切な文化」みたいに受け継がれてきました。
学校の授業で習ったこともあるかもしれませんが、その中心にいるのが、空海(くうかい)またの名を弘法大師(こうぼうだいし)という昔の偉いお坊さんです。
伝統としてのお遍路
お遍路には、昔からの伝統的な“型”があり、内容は非常にシンプルです。
- 四国の八十八ヶ所のお寺を順番に回る
- 礼儀作法に従い、お寺で手を合わせてお参りする
- お参りしながら、自分や家族のために願いごとをしたり、供養の気持ちで感謝を伝える
お遍路とは、上記の3つが伝統として大事にされています。
全体の規模は、ざっくり次のようなイメージです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 巡る場所 | 四国4県(徳島・高知・愛媛・香川)の88ヶ所のお寺(札所) |
| 距離 | 約1,200〜1,400km(資料によって違います) |
| 日数の目安 | 歩きで約40〜50日、車なら約10日前後 |
| 巡り方 | 歩き・車・バスツアーなど。一度に回る「通し打ち」と、何回かに分ける「区切り打ち」がある |
日数や費用の詳しい目安は、お遍路は何日かかる?やお遍路の費用の記事でまとめています。
ちなみに、お遍路とは他にもこのような呼ばれ方もしています。
- お遍路巡り
- 四国遍路
- 四国巡礼
- 四国八十八ヶ所巡り
- 四国八十八ヶ所巡礼
- 八十八ヶ所参り
- 札所巡り
このように、人によっても呼び方は様々です。
まとめると、お遍路とは、空海(弘法大師)ゆかりの四国八十八ヶ所のお寺をお参りして回る、昔から続く巡礼の旅です。
その一歩一歩の巡礼の中に、昔から受けつがれてきた「祈りと感謝の文化」が入っているのです。
「お遍路さん」や「お遍路様」とは?
「お遍路さん」とは、四国八十八ヶ所などをお参りしながら巡っている人のことを、親しみを込めて呼ぶ言い方です。
一方で「お遍路様(へんろさま)」は、より丁寧で敬意をこめた呼び方。
特にお接待(せったい)をする場面や、年配の方が改まって呼ぶときに見かけます。
会話では「お遍路さん」と呼ぶのが一般的ですが、どちらもお遍路をする人のことを失礼にならないように呼ぶ言葉です。
お遍路の意味や目的とは?いったい何のためにするの?
お遍路している人は何のためにしているの?
よくあるお遍路の目的は、次のようなものです。
- 祈願:
健康、家族の幸せ、仕事や試験の成功など「こうなってほしい」という願い - 供養:
亡くなった人への感謝、手を合わせることで心を落ち着かせたい気持ち - 人生の区切り:
転職・離婚・卒業・引っ越しなど、節目で気持ちを切り替えるため - 自分を取り戻す:
忙しさで乱れた生活や心を、もう一度まっすぐにするため
お遍路の本来の意味としては、四国八十八ヶ所をお参りしながら、祈願や供養、自分の心と向き合ったりすることを目的としています。
ですので「お遍路は何のためにするの?」と聞かれたら、答えはひとつではないので、人それぞれといった感じでしょうか。
ここ最近では、上記の目的以外にも、御朱印ブームにのっかって「ただ単に御朱印集めでやっている」なんて人も増えてますが、それもお遍路の一つの目的です。
お遍路は「祈願・供養・人生の区切り」などが最もよくある目的
お遍路の目的は人それぞれですが、よくあるのは「祈願」「供養」「人生の区切り」の3つです。
祈願としてお遍路する人は、自身の健康・家族の幸せ・仕事の成功など「こうなってほしい」という願いを込めてお参りすること。
次に故人の供養としてお遍路をする人は、亡くなった大切な人に感謝を伝えたり、心を落ち着かせたりするために歩く形です。
長い道のりを、故人を想いながら一ヶ所ずつお参りする。その時間そのものを大切にする供養の形ですね。
人生の区切りとしては、転職や引っ越し、失恋や離婚、病気からの回復など、人生の節目に何か特別なものを残したいときに選ばれやすい目的です。
どれも共通しているのは、歩きながら手を合わせることで、気持ちが整理され「次の一歩」を踏み出しやすくなること。
余談ですが、言い伝えの一つとして、空海は「四国に結界を張っていた」なんて話もあります。
どこまでが本当かどうかはわかりませんが、お遍路の意味や目的は人によっても変わってくるということです。
お遍路の宗派は真言宗が中心!他の宗派や無宗教でも参加できる理由

「お遍路はどの宗派?」
「宗派が違っても参加できる?」
なんて疑問があると思いますが、先にお伝えすると、お遍路は空海(弘法大師)ゆかりの道なので“真言宗が中心”という土台はあります。八十八ヶ所のうち80ヶ寺が真言宗で、残りの8ヶ寺は別の宗派です。
でも実際のお遍路は、信仰の深さを競う場ではありません。
ですので、お遍路は宗教的に大丈夫で他の宗派や無宗教の人でももちろん参加できます。
ここから先は、
「真言宗が中心と言われる理由」
「宗派が違う場合の考え方」
「札所の宗派が混ざる話と注意点」
を、順番にかみ砕いて説明します。
基本は空海が開祖の「真言宗」が中心
繰り返しになりますが、お遍路の宗派は、基本は「真言宗」が中心です。
四国八十八ヶ所霊場は、真言宗の宗祖である弘法大師(空海)が約1200年前に開いたと伝えられています。
ですので、お遍路の宗派とは真言宗が土台となっています。
実は真言宗以外のお寺の宗派が混ざっている
お遍路のお寺は真言宗ばかりと思いきや、八十八ヶ所の札所の中に他の宗派も混ざっています。
真言宗以外の8ヶ寺
| 札所 | 寺名 | 宗派 | 県 |
|---|---|---|---|
| 11番 | 藤井寺(ふじいでら) | 臨済宗 | 徳島 |
| 15番 | 阿波国分寺(あわこくぶんじ) | 曹洞宗 | 徳島 |
| 33番 | 雪蹊寺(せっけいじ) | 臨済宗 | 高知 |
| 43番 | 明石寺(めいせきじ) | 天台寺門宗 | 愛媛 |
| 76番 | 金倉寺(こんぞうじ) | 天台寺門宗 | 香川 |
| 78番 | 郷照寺(ごうしょうじ) | 時宗 | 香川 |
| 82番 | 根香寺(ねごろじ) | 天台宗 | 香川 |
| 87番 | 長尾寺(ながおじ) | 天台宗 | 香川 |
天台系が4ヶ寺、臨済宗が2ヶ寺、曹洞宗と時宗が1ヶ寺ずつです。各札所の宗派は、四国八十八ヶ所霊場会の札所の案内でも確認できます。
長い歴史の中で、宗派が変わった札所もあると伝えられています。
というと、決してそうではありません。
お遍路では宗派が違っても基本的には同じ参拝方法になっているので、お寺の宗派を気にする必要はありません。
お参りの流れは、本堂と大師堂でお参りして、納経所で納経(御朱印)をいただくという形で、どの札所でも変わりません。
数珠も、ふだん家で使っているもので大丈夫という案内が多いので、新しく買いそろえなくても問題ないですよ。
お参りの手順はお遍路初心者の始め方ガイドで詳しく紹介しています。
他の宗派・無宗教でもお遍路をするのは問題ない
お遍路をするとき、「他の宗派・無宗教でも大丈夫?」なんて思うかと思いますが、全く問題ありません。
文化庁の日本遺産ポータルサイトでも、四国遍路は国籍や宗教・宗派を超えて、それぞれの思いを込めて歩く巡礼として紹介されています。
家の宗派はそのままで、四国の札所に敬意を持ってお参りすれば大丈夫です。
お遍路の起源・由来・歴史!空海(弘法大師)とお遍路の関係は!?
お遍路の起源や由来は、弘法大師空海の修行地と伝わる「四国の聖地」をお参りして回る、昔から続く巡礼の道です。
もともと空海が四国の香川県(当時は讃岐国と呼ばれていた)で生まれ修行していたので、四国が選ばれ、今も受け継がれています。
文化庁の説明によれば、平安時代の僧侶・修験者の巡礼が出発点で、鎌倉時代には西行・法然・一遍も四国を訪れたとされ、やがて一般の人々へ広がったとされています。
出典:文化庁お遍路サイト
さらに江戸時代には交通の発達で遠隔地からの巡礼が増え、四国が「聖なる場所」、いわゆる聖地巡礼として浸透して日本の文化として定着しました。
お遍路のはじまりと伝わる衛門三郎の伝説
こうした歴史とは別に、お遍路のはじまりとして語り継がれてきた伝説もあります。
お遍路のはじまりとして、衛門三郎(えもんさぶろう)の伝説がよく語られます。
伊予国(今の愛媛県)の長者だった衛門三郎は、托鉢に来た僧を追い返してしまいます。その僧が弘法大師だったと気づいた三郎は、許しを請うために四国を巡り続け、21回目に逆回りで巡ったとき、ついにお大師様と再会できたと伝えられています。
この伝説は、88番から逆に回る「逆打ち」の由来としても知られています。あくまで伝説ですが、お遍路の心を伝える物語として今も大切にされているんですよ。
江戸時代に広まったお遍路のガイドブック
先ほど「江戸時代に遠くからの巡礼が増えた」とお話ししましたが、その後押しになったもののひとつがガイドブックです。
お遍路が多くの人に広まったきっかけのひとつに、江戸時代に出版されたガイドブックがあります。
1687年(貞享4年)に、僧の真念(しんねん)が『四国遍路道指南(しこくへんろみちしるべ)』という案内書を出し、札所の順番や道のり、宿の情報などをまとめました。真念は、道しるべとなる石(遍路道標)を各地に建てたことでも知られています。
道がわかりやすくなったことで、遠くからお遍路に来る人がぐっと増えていったんですね。
八十八ヶ所巡り(八十八ヶ所巡礼)とは八十八ヶ所のお寺を巡ること
お遍路の違う呼び方として、「八十八ヶ所巡り(八十八ヶ所巡礼)」とありますが、これは四国に点在する八十八ヶ所の札所(お寺)をお参りすることが呼び名の由来です。
四国4県の「道場」の呼び名
四国八十八ヶ所は、県ごとに「道場」と呼ばれる意味が込められています。巡りながら、心の段階が進んでいくという考え方です。
| 県(札所) | 呼び名 |
|---|---|
| 徳島県(1〜23番) | 発心(ほっしん)の道場 |
| 高知県(24〜39番) | 修行の道場 |
| 愛媛県(40〜65番) | 菩提(ぼだい)の道場 |
| 香川県(66〜88番) | 涅槃(ねはん)の道場 |
徳島で「よし、巡ろう」と心を決め、香川で心静かに巡礼を終える。もちろん、この順番で巡らなければいけないわけではありません。そんな流れを思い浮かべながら巡ると、お遍路の道のりがまた違って見えてきますよ。
四国八十八ヶ所の基本的な考え方
四国八十八ヶ所の基本的な考え方は、「八十八ヶ所は全部つながる“ひとつの巡礼道”で、どの札所も大切」という考え方です。
そのため、「一生のうちに一周するために好きな時に、好きなお寺を回ればいい」という考え方でお遍路をしている人も多いです。
順打ち・逆打ち・区切り打ちとは
お遍路には、巡る順番や回り方によって呼び方があります。
- 順打ち:1番から88番へ順番に回る、いちばん一般的な回り方
- 逆打ち:88番から1番へ逆向きに回る回り方(衛門三郎の伝説が由来とされる)
- 通し打ち:88ヶ所を一度に続けて回る回り方
- 区切り打ち:県ごとなど、何回かに分けて回る回り方
決まった順番で回らなければいけない、という決まりはありません。
結願(けちがん)とは八十八ヶ所全てのお寺を回り終えること
結願(けちがん)とは、四国八十八ヶ所巡りで八十八ヶ所すべてのお寺をお参りし終えることです。
願いを結ぶということで、修行や巡礼が終わったことを意味しています。
また、結願と似た言葉に「満願(まんがん)」があります。辞書ではほぼ同じ意味ですが、お遍路では結願のあとに高野山へお礼参りをして満願とする習わしもあります。
結願は、願いを結ぶ大切な区切りとして受け継がれてきました。詳しくは結願の意味と満願との違いで紹介しています。
お遍路の「同行二人」の意味は「ひとりでも“ひとりじゃない”」ということ

お遍路では同行二人(どうぎょうににん)の意味を大事にする文化が昔からあります。
ですので、ひとりで回っていても「ひとりじゃない、弘法大師様と一緒に回っている」という意味ですね。
一人で歩いていても、心細さが和らいだと感じる人もいるそうです。
南無大師遍照金剛とお接待!お遍路ならではの言葉と文化
お遍路には、白衣に書かれた言葉や地元の方のお接待など、四国ならではの言葉と文化があります。意味を知っておくと、札所での見え方が少し変わりますよ。
白衣の背中に書いてある「南無大師遍照金剛」とは?
お遍路の服装として身につける白衣(びゃくえ)の背中に書いてある「南無大師遍照金剛」という文字が気になっている人は多いかと思います。
この南無大師遍照金剛は「なむだいしへんじょうこんごう」と読み、意味としては「弘法大師(空海)さまを信じて、よりどころにして歩きます」という合言葉です。
言葉を分解して解説すると、南無は仏教用語で、帰依(きえ)と同じ意味です。
帰依とは、「すぐれたものを頼みとして、その力にすがる」ということです。
よくお坊さんが、南無阿弥陀仏(なむあみだぶつ)や、南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう)とか唱えてますよね。
これは、「阿弥陀仏を頼りにします」「妙法蓮華経(法華経というお経)を頼りにします」といった宣言みたいなものです。
続いて、大師遍照金剛は、「遍照金剛 = 空海の別の呼び名」という意味です。
話をまとめると、「南無大師遍照金剛」は「弘法大師様を頼みにしてお力にすがります!」といったことになります。
お接待とは?お遍路の文化としてとても重要
お接待とはお遍路で大切にされている文化で、四国に住んでいる地元の人がお遍路している「お遍路さん」に対して、親切な行為をすることです。
これは四国では、ごくごく当たり前の文化となっています。
具体的にどのようにお接待があるかというと、以下のような感じです。
- 飲み物や食べ物を分ける
- 道を案内する
- 励ましの言葉や物を送る
- 休憩所や無料の宿(善根宿)を用意する
このように、四国ではお遍路する人を支えることがあり、自分がお遍路に行けないので「お遍路を代わりに行ってもらう」といった考え方があります。
また、「お接待をすること自体が功徳を積む」という考え方もあります。
日本ではあまり馴染みがないですが、タイやラオス、ミャンマーなどの仏教国では、お坊さんに食べ物やお金を差し出す托鉢(たくはつ)という文化があるのですが、それと同じような感じですね。
話をまとめると、お接待とはお遍路する人だけでなく、お遍路ができない人にとっても「一緒にお遍路へ想いを連れて行ってくれる」といった四国では大事な文化ということです。
お遍路とは?宗派や意味についてよくある質問!読み方から日数まで
- お遍路の読み方は?
- 家が浄土真宗ですが、お遍路をしてもいいですか?
- お遍路は何日かかりますか?
- 1ヶ所だけお参りしても、お遍路と言えますか?
- お遍路は何のためにするのですか?
- お遍路は真言宗だけのものですか?
- お遍路と八十八ヶ所巡りは同じ意味ですか?
お遍路とは「四国八十八ヶ所をお参りして巡る旅」!行けない大切な人がいるなら

お遍路(おへんろ)とは、空海(弘法大師)が修行した四国の八十八ヶ所のお寺をお参りして巡る旅です。
お遍路をする人の理由や目的は、祈願・供養・人生の区切りなど、その人によって違うということも分かったかと思います。
もし四国に行った際は、日帰りで一ヶ所でもいいのでお遍路の札所(お寺)に行ってみると良いかもしれません。
一方で、「親が昔からお遍路に行きたいと言っていたけれど、もう体力的に難しい」という方もいるかもしれません。
そんなときの選び方は、親が四国お遍路に行きたがっていた方へやお遍路は80代でも可能?でまとめています。
気になることがあれば、相談だけでも大丈夫ですよ。
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